ハラスメント防止
尾道市立大学ハラスメント防止及び対応ガイドライン
尾道市立大学は、学内にハラスメント委員会を設置して啓発に取り組むとともに、「公立大学法人尾道市立大学ハラスメントの防止及び対策に関する規程」を設け、そして『学生便覧』において本学の姿勢と相談窓口?相談員の設置を学生に対して周知してきました。「尾道市立大学ハラスメント防止及び対応ガイドライン」は、本学の姿勢を確認するとともに、本学の構成員 (教職員、学生、その他本学の教育研究にたずさわる者) が遵守すべきことやハラスメントの防止と解決の手続きを定め、これらを学生及び広く社会に対して宣言することを意図して策定されました。
- ハラスメントの定義
尾道市立大学は、ハラスメントを、「差別意識に基づき、あるいは権力関係を用いて、不適切な言動を行い、これによって相手に精神的?身体的な面を含めて、修学?研究や職務遂行に関連して不利益や損害を与えること」と定義します。
ハラスメントに特徴的なこととしては、その行動が不快、屈辱的、脅迫的、敵意に満ちていると、受け手にとって、場合によっては理性的な第三者にとって思われることです。
ハラスメントの例はおおよそ次のようなものです。差別的な言動、執拗ないじめ?嫌がらせ?からかい、性格や容姿に関するコメント、持続的で不合理な批判や罵倒をすること、または性的な好意や行為と引き換えに単位認定、推薦などを約束し、あるいは示唆したり、必要な指導や支援を拒否することなどが挙げられます。具体例等の詳細については、次項において説明します。
行為者がどのような意図で上記の行為をしたかは、ハラスメントを構成する要件ではありません。 - ハラスメントの種類とハラスメントになりうる言動の具体例
セクシュアル?ハラスメント、人種?民族ハラスメント、アカデミック?ハラスメント、パワー?ハラスメントについて説明します。
これらの種類のハラスメントすべてにおいて、本項で示す言動は、第一に行為者の意図の如何に関係せず、第二に受け手がいかに受け取るかがハラスメントの重要な判定基準となります。
①セクシュアル?ハラスメント
セクシュアル?ハラスメントは、性差別の一形態とみなされる人権侵害であり、しばしば対等の立場にない人と人との間で発生します。その場合、権限のある人または信頼されるべき立場の人が自己の立場を濫用しているならば、明確な利益または不利益の提示がなくても、本学は重大なセクシュアル?ハラスメントとみなします。以下は、主な具体例です。
◆相手が望まない一方的な接近や身体的接触を行う。握手を求める、肩をたたく、首や肩を揉む、髪に触れる、など不必要に身体に触れようとする。
◆単位や学位の認定、研究指導と引き換えに性的あるいは持続的な関係を求める。
◆指導教員が飲み会でダンスやカラオケ?デュエットを強要する。
◆自らの女性 (男性) 観、性別に基づく役割観、結婚観を押し付ける。たとえば「女性 (男性) は----すべき」という言葉を使う。
◆自分の性体験を語ったり、学生に聞いたりする。
◆熱心な指導のあまり、相手のプライバシーに必要以上に踏み込む。たとえば「研究がおろそかになっているので、彼(彼女)と交際するのをやめなさい」と発言する。
◆食事やデートにしつこく誘う、あるいはいわれのない手紙、電子メール、プレゼント等を相手の意向を無視して執拗に送る。
◆猥褻な画像や電子メールを見せたり送信したりする。
②人種?民族ハラスメント
- 人種?民族ハラスメントは、人種差別の一形態とみなされ、許容されるものではありません。本学は、人種?民族、国家間の関係を根拠とした攻撃的な行為や意見表明を、またはこのような行為を扇動することも重大なハラスメントとみなします
- 具体的な例としては、教育?研究上で発生した問題の原因を、人種?民族に対する偏見に基づいて判断する、というような例を挙げることができます
- ③アカデミック?ハラスメント
- アカデミック?ハラスメントは、本学の教職員が権力関係をもとにして、不適切な言動を行い、これによって受け手に精神的?身体的な面を含めて、勉学?研究や職務遂行に関連する不利益や損害を与えることです。アカデミック?ハラスメントは安心で安全な教育を受け、研究し、快適な環境で就労する権利を奪う人権侵害行為であり、本学の教職員はこのことを認識して学生や他の教職員に接しなければなりません。
- 以下に具体例を示しますが、セクシュアル?ハラスメントと同様、これらの言動は行為者の意図の如何にかかわらず、受け手にそう感じられた場合にはアカデミック?ハラスメントとなりえます。
◆常識を越えた剣幕で怒鳴られ、物を投げつけられた
◆他の学生の前で長時間叱りつけられた。
◆不穏当な仕方で(他の人が閲覧可能な媒体を通じて、等)、批判されたり、人格や容姿をけなされたりした。
◆「お前には指導しない」、「お前と話したくない」、成績とは無関係の理由で「単位を落とすぞ」と言われた。
◆ゼミの飲み会や旅行など、教育指導とは直接関係がないと思われる行事への参加を強要された
- ④パワー?ハラスメント パワー?ハラスメントは、上司が職権などのパワーを背景にして、本来の業務の範疇を越えて人格と人間の尊厳を侵害する行為であり、就業者の働く環境を悪化させ、あるいは雇用不安を与えることです。
- ハラスメントにあったとき
①ハラスメントを受けていると感じたならば、もし少しでも可能ならば言葉と態度で自分はそのような言動を「望んでいない」、「受け容れられない」、「不快である」とはっきりと伝えましょう。勇気を出して拒絶し、自分の意思を明確に相手に伝えることが大切です。しかし、「ノー」と言えない場合もあるでしょう。そこにハラスメントの特徴があります。したがって、周囲の人に話して助けてもらうことも必要です。相手に対して悪いと感じたり、耐えなければならないと感じてはいけません。
②手紙や電子メールを利用する方が自分の意思を相手に伝えやすいかもしれません。その場合には、コピーをとっておいてください。これだけでハラスメントをやめさせるのに十分な効果が得られることもあります。
③「ノー」と言ったために指導を拒否されたり、嫌がらせがひどくなったら困ると思うかもしれません。もし相手がそのような態度に出たら、その事実を記録し、ハラスメントの相談窓口を訪ねてください。本学はハラスメントを許しません。
④あなたを悩ませる問題についてどんな出来事でも詳細に記録し、文章に記しておくことが大切です。その際、日時等を書き留めておくようにしましょう。相手の行為があなたの学生生活や勉学?研究活動、就職?仕事、社会生活をいかに変えてしまったか、さらには心身の健康を損なってしまったかを書き留めてください。
⑤本学は、ハラスメントに関する相談を受けるため、全学及び各学部に相談窓口?相談員を設けています。ハラスメントかな、と思ったら遠慮せずに相談窓口を訪ねてみてください。 - ハラスメント相談窓口、その後の対応
本学では、全学窓口及び学部窓口を設け、それぞれに相談員がいます。どちらも学長によって任命されています。
自分ひとりで行きにくい場合は、誰かに付き添ってもらってください。相談者の了解を得た上で、原則として相談員のほかにもう一名の教職員が話を伺います。相談員と教職員は、相談者の尊厳とプライバシーを守りながら、問題解決への道筋を説明します。
問題解決の道筋としては、相手への注意や警告のほか、事実関係の調査とそれに基づく懲戒処分などの措置があります。いずれの場合にも、あくまでも相談者本人の意思を十分に確認しながら行います。
ハラスメントの疑いのある行為が継続的または深刻で、相談者の心身に障害をもたらしているなど緊急性が認められる場合には、学長が統括責任者を任命し、統括責任者が問題解決に当たります。結果については、相談者の保護と救済を第一に考え、加害者には相応の厳しい態度で臨みます。
相談窓口?相談員、連絡先は、本学の掲示板、ポータルサイトに掲載しています。電子メール、手紙での相談も受け付けています。 - ハラスメント防止に向けた中期計画と年次計画
本学では、ハラスメントを防止し、自由で快適な教育?研究環境を整備することを目指して、当該問題を本学の中期計画及び年次計画のなかに位置づけ、これに基づいて取り組みを着実に進め、その成果を公表していきます。